三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast

#43 アイデンティティの不安定さをどうやって乗り越えていく？ / 人生の分岐ルートについて【Guest：リトルフォレスト】

Listen to this episode from 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast on Spotify. 早々とPOP LIFE的2020年度ベスト映画(so far)が決定しました。処女作から15年ぶり、台湾系アメリカ人監督アリス・ウーのNetflixオリジナル映画『ハーフ・オブ・イット』（https://bit.ly/3gw4lr9 ）です。未見のオーディエンスは今すぐアクセスのこと。17世紀の戯曲“シラノ・ド・ベルジュラック”をモチーフにした「友人のためにラヴレターの代筆を依頼する」という物語的主題を、架空のバイブル・ベルトの街に暮らすがゆえにPRETENDする（自分を欺き、他人を欺く）ことを余儀なくされるレズビアンの中国系移民二世の少女を中心としたティーン・ムーヴィに置き換え、移民、性自認、宗教といった現代的かつシリアスなテーマをコメディ・タッチで描き出すという神技的作品。やっかいで、おぞましくて、利己的で、大胆な「愛と性」という鎖に囚われた人という厄介な生き物の実相に迫っていきます。作品冒頭の「愛とは完全性に対する欲望と追求である」というプラトンの引用を筆頭にオスカー・ワイルド、サルトル、ヴィム・ヴェンダース、カズオイシグロといったおびただしい引用や、前述の主題が、それを描き出す形式とニュアンス――構図、色彩といった画面設計、的確な撮影と編集と相まって、まるでその二つが絡み合うように駆動していく様は「まさに映画」。この映画『ハーフ・オブ・イット』に出演者5人全員は終始大興奮。かくして、当番組のホスト三原勇希のソウルメイト――長井優希乃とあっこゴリラの二人を新たなPOP LIFEアベンジャーズとしてメイン・ゲストに迎え、彼らからのレコメンド作品を当番組のアイアンマンこと映画・音楽ジャーナリスト宇野維正がご意見番として厳しく査定するという趣旨の４回連続「令和GALS!回」も見事に大団円！ と思いきや、むしろどこにも出口の見当たらない暗闇に放り出されたような少しばかりビターなエンディング。因みに「PRETENDすること」の悲しさを描いた作品としては、フレディ・マーキュリーによるザ・プラターズの名曲“ザ・グレート・プリテンダー”（https://spoti.fi/2AFMnSw ）のカヴァー（https://spoti.fi/36XpmXx ）がもっとも最良なサンプルのひとつかもしれません。では、今回も台本なしのフリートークがゆえの事故や逸脱、情報や意味の隙間からこぼれ落ちるヴァイブスやエモーション込みで「奇妙で特別な時間」を楽しんで下さい。 Learn more about your ad choices. Visit podcastchoices.com/adchoices

#073  これぞ2020年度ベスト映画(so far)！ Guests: あっこゴリラ、長井優希乃＆宇野維正

#073 これぞ2020年度ベスト映画(so far)！ Guests: あっこゴリラ、長井優希乃＆宇野維正

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